とあるエステートセールでの日記<その1>
去年の春ごろのエステートセール。
こちらもいわゆるセレブと言われているようなエリア。
誤解の無いように説明しますと、私は、宮尾すすむの日本の社長よりも、渡辺篤史の建もの探訪が好きで、
小学生の頃から新聞広告のモデルハウスのチラシを取っておいたり、
見取り図を見ては空想にふけるような子供でした。
ブルータスCasaやエル・デコ、Architectural DigestやAmerican Architectureをこよなく愛していますが、別にその道のプロでもなく、ただの建物好きなんです。
なので、エステートセールはそんなお家訪問も兼ねて、大好きなことのひとつ。
普通に売りに出されている家のオープンハウスもいいのですが、不動産屋さんのセールストークに付き合うのもアレじゃないですか。

話は戻しまして、このお家、かなり古い家で、この辺のエリアでも一等地。ミシガン湖を見下ろす小高い丘の上にありました。
ワクワクして勝手口から中に入ると・・・
違う意味で期待を裏切られました。
かなり老朽化が進み、修理さえされていない家でした。
窓は割れ、ひびが入り、キッチンには古ーいレンジが現役で鎮座していました。
名称は分からないのですが、レストアされたレンジが次から次へと売れていき、今ではリプロダクションされている程の人気のレンジ。
真っ白の飾り気の無いキッチンは、家の主が使うというより、裏方のお給仕さんが出入りするような、殺風景なキッチンでした。
「そこで淡々と毎日を過ごす」という感じの主なのか、昔のきらびやかな面影が壁紙のデザインなどに少し感じられる程度。
この家はバスルームまで開放されていました。使いかけのコロンや、いつ買ったのか分からない石鹸、
ものすごくレトロなカーラーまで売っているエステートセールがあったりするので、珍しいことではないのですが、
その人の普段の生活が丸見えな場所なので、ちょっと罪悪感を感じます。私がバスルームを覗くのは、古いシンクやタイル、ランプやシャワーヘッドが見たいという理由なのですが、
棚が全てバーンと開いてある状態だったりすると、思わず目をそむけてしまいそうになります。
この主のおばあさんも、その辺のドラッグストアで売っているような生活用品が必要最小限あったので、ちょっと親近感を感じたり。

家の主と家が共にする生活を想像しながら周るのですが、このお宅は特に、
その時代を象徴する家具や服が取ってあったりで、とても興味深かったです。
主寝室とファミリールームから見えるミシガン湖は絶景で、どこかのホテルに佇んでいるような錯覚さえ覚えました。

エステートセールを主催している業者さんによると、ここに住むおばあさんは介護施設が整ったコンドミニアムに引っ越す予定で、
この家が売りに出されるのかどうなるのかは分からないそう。
何でも壊して建て直す業者の手に渡らないように祈るばかりです。

後で私は夫からその値段を聞いて「一から建て直すにしても、修理するにしても、大変なのに、この値段は高すぎだなあ・・・」
すると私の夫は、「いやぁ、あの景色が手に入るならあの値段は妥当だよ。」と。

・・・じゃあ買ってもらおうじゃないの。えぇ?(笑)

(つづく)
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by retrojunkie | 2008-01-05 15:11 | その他の雑貨(other)
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