::7::Holocaust Museum Skokie
e0049603_1753263.jpg2005年の開館から行きたくてもなかなか行く機会がなかった博物館がありました。
ホロコースト博物館です。
シカゴの北郊外にSkokieというユダヤ系が多く住む場所があり、そこに建設されたのがこの博物館。
迫害されたユダヤ人の歴史を納めた場所です。
開館当時は子供が小さかったり、気軽に行けるテーマの博物館ではないので、ある程度大きくなったらと思っていました。
その間に杉原千畝の特別展示があったり、フランスに自転車一台で亡命するおさるのジョージの作者の特別展示も過去にあったのですが、それも逃してしまい悔しい思いをしたので、今回は数年来の願いがかなったわけです。
(写真:Architectmagazine.com

この施設の建設に携わったStanley Tigerman氏は、この建物を二つに分け、「ユダヤ人の過去と、その先にある未来を表現したかった」と語っています。
なので、そこも見所だなと楽しみにしていました。

この博物館、なぜか車の多く通る建物の正面に入り口がなく、建物の裏に入り口がひっそりとあります。
これが何を意味するのか分かりませんが、公共建築物にはあまりない、全く目立たない場所に入り口があるため、建物を一周してしまいました。
(追記:どうやら入り口がメインの通りの反対側にあるのはエルサレムのある東側に設けたかったという理由らしい。建築家自身もユダヤ人であることから、建物の設計にもそのルーツにこだわっている模様中に入ると、空港や裁判所のような厳重なセキュリティーチェックが。
金属探知機を通り、荷物もX線検査されます。
建物の中に入ると、非常に暗く、あるのは必要最小限な間接照明のみです。
スチールの手すりと打ちっぱなしのコンクリートの床、天井は配管が剥き出しで、インダストリアルでモダンではあるのですが、照明の少なさから怖い印象を受けます。不謹慎ながら、収容所か刑務所のようだと思ったのですが、いくつかの記事を読むと、その勘は外れではないみたいです。

地下(といってもGround Levelと呼ばれているみたいですが)に子供用の展示場が。
「いじめはいけないよ」と明るい口調で語りかけるようなビデオやインタラクティブな部屋も。
それは肌の色だったり、セクシュアリティーの違いだったり。
いきなりユダヤの話をするより、子供のいる家庭は特にここから見たほうがいいかもしれません。

そして入り口のある上に上がると、メインの展示場があります。
ユダヤ人の歴史から始まって、戦時中のドイツの様子などに流れて行き、収容所の話へと入っていきます。
上海に亡命するために発行された入国許可証やパスポートが展示されていました。
更に、アウシュビッツで使われていた備品や模型、ストライプのパジャマや、そこに縫い付けられたマークの説明なども。

杉原 千畝をはじめとする、ユダヤ人の亡命の手助けをした人物を称えたコーナーもありました。
ここでは杉原 千畝が実際に発行した滞在許可証や、ショートビデオも展示されていました。
リトアニア総領事館に勤めていた杉原 千畝は、日本政府の許可を得ずにビザを発行、ポーランドに住むユダヤ人ら6000人を救ったといわれています。


e0049603_1813125.jpgこの博物館のハイライトは、ドイツから寄贈されたという、収容所へユダヤ人を運んだ貨物車があり、実際に中に入ることが出来ます。建築初期に基礎を作った後にこの建物の中心に設置され、その周りを囲うように建物を完成させた模様です。(Via: http://www.ilholocaustmuseum.org/)

身を隠したことで死を逃れた子供達が、親族を探すために撮られた「たずねびと」用の写真の展示も。

最後は、1978年に起きた、ネオナチのデモ行進のための許可証申請とSkokie市を巡る裁判(NATIONAL SOCIALIST PARTY v. SKOKIE)の話でこの一連の展示はお終い。
このコーナーを出るために外へ出ると、一面まぶしいほどの明かりが差し込んできました。
天井から太陽の光が降り注ぎ、ありとあらゆる窓から採光されたこのエリアが、まさにTigerman氏の言う「明るい未来」を指しているんだなと確認できます。

普段、博物館へ行ってもそれほど話し合うことはないのですが、今回は暫くの間、見たもの、感じたものを話し合ういい機会になりました。
子供達もアンネフランクの話や、親とはぐれてしまった子供の話をしていたので、家族の絆の大切さを再確認してくれたのではないかと思います。

夫はヒストリーチャンネルを飽きることなく見るのが好きなので、一つ一つの説明書きを読みたかったみたいなのですが、そこまで子供達がじっとしているわけでもなく・・・
今回は様子見ということで、次回は子供を預けてゆっくり見にいきたいなと思います。

e0049603_12391581.jpg館内は撮影禁止でしたが、外のコートヤードの写真を。
スチールのパネルには、ユダヤの歴史に関わった人物の名前と出身国が彫られています。
勿論杉原千畝の名前も確認できました。
ボーッと噴水の水の音に耳を澄ましていると、アゲハチョウが一匹、羽を休めに来ていました。
記念プレートの間を行ったり来たり・・・


最後におさるのジョージの作者H. A. Reyの、The Journey That Saved Curious Georgeという絵本もおすすめです。戦時中のモノクロの写真と、著者のイラストで当時の経験を語っています。
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by retrojunkie | 2012-06-25 14:44
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